【iM@s】最近のアンティーカのはなし

アンティーカのシナリオイベント、ストーリーストーリーのコミュを読んだのでそれの感想をちょこちょこ書いてたんですけど、書ききる前にアンティーカのGRADが追加されたのでいっそ一緒くたに書いてしまおうというのが今回の主旨です。
まとめて書くので一つ一つに対する密度は低めでサラッとまとめられればなと。

ストーリーストーリーコミュ

あらすじはこんなかんじ↓ 最近話題の某テラスなんちゃらみたいな、共同生活を写すドキュメンタリー押しのバラエティ番組にアンティーカが出演することに。スポンサーがマスカラメーカーということもあり、『泣いてはいけない』というルールがあり、一定ポイント溜まってしまうと共同生活が終了してしまう。
摩美々、咲耶、霧子の高校生組は試験が控えているということもあり、恋鐘、三峰の年長組は高校生組が試験勉強に専念できるようにサポートしていきたいという気持ちで撮影に臨む。
一方、高校生組は番組スタッフがアンティーカの撮影を早く終わらせようとしている噂を耳にする。6週後に恋鐘、三峰に大きな仕事が入っているため、その宣伝になるようなんとしてでもそれまでは放映が続くようにしたい。どうにかして撮れ高を出そうと模索する。

一悶着こそあったものの、アンティーカの中で衝突するようなことなく収束してくれてよかったなという印象。悪者となる人間が外側にいたおかげで、しんどさはあったけれど安心して読み進められた。
この話で一番好きなのはやっぱり恋鐘がセンターなんだよねっていうのをしっかり描いててくれたのがめっちゃ好き。作中で三峰の口からも語られているけど、時に三峰が仕切ったり、摩美々が話をリードすることはあっても、アンティーカのセンターが誰かといえば、恋鐘以外ありえないんだよね。恋鐘は察しがいいわけではないから、三峰や咲耶が手を回すことがあったりするけれど、その二人がどうしようもなくなって、問題が露呈した時は絶対にアンティーカ全員を引っ張り上げてくれる。そういう恋鐘の安心感みたいなものが目一杯詰め込まれてた感じ。
人一倍周りからどう見られるかということを気にする三峰、心配性な霧子、自分勝手に見えて実は周りのことがよく見えている摩美々、他人を立てることに慣れすぎている咲耶というメンツが部屋に籠もるようになっても、そこを引っ張りあげられるのがセンターである恋鐘なんだよね。そしてその方法も、みんなでご飯を食べられる食卓を用意して待ってるっていうなんとも恋鐘らしい方法だったのも好き。プロデュースコミュでも度々語られる、恋鐘の食事ということを大事にしてるっていう背景も生きてたしね。恋鐘がこういう性格だからアンティーカのサポカードには食事してる場面が多いのかもしれない。
細かいところでいくと、霧子が鉛筆派だっていうことが発覚しましたね。電動鉛筆削りとか机に置いてあったりするのかな。あとは三峰が料理ほぼからきしということがわかったり。出汁とるぐらいなら、っていいつつ出汁取るにもめちゃめちゃ勉強しながらやってるのが三峰っぽいな~~~~って感じ。

GRAD

月岡恋鐘

18で上京してからの空白の1年と、GRADという大きなオーディションに挑むにあたり今のままでいいのかという焦りと向き合っていくお話。
恋鐘はWINGでも明るく前向きであるということだけでこの先進めるのかっていう悩みに向き合っているんですよね。WINGではそんなこと気にせず、そのままの恋鐘で勝負しようという形で乗り越えたんですよ。この時の恋鐘は『自分はアイドルたる存在』だという自信はあるけど、受け入れてもらえるには別の形を目指さなくてはいけないのでは、という悩みで。でも今回はPが認めてくれた今の『失敗をものともしない』というアイドルではなく、『完璧なパフォーマンスができる』アイドル像を目指したい、という葛藤で。このWINGとの物語の対比を、WING編と全く同じコミュ選択肢によって意識させるっていう構成がエモですよね。

田中摩美々

WINGでアイドルとして活動することに対して前向きになった摩美々が、アイドル活動の中でどんな『田中摩美々』を出していくのか、どんなアイドルになりたいのか、そもそもなんでアイドルやってるのかということを探していくという話。
これはもうシャニPが言ってくれていることがすべてなんですけど、「ありがとう、簡単に手放さないでくれて」なんですよね。摩美々がアイドルに対して真剣であったことが嬉しいんですよ。アイドルの仕事の面白さと、その面倒さに悩まされた先で、アイドルの仕事を好きと言えるところまで、摩美々の中で先に進めて本当によかった。「スキヤキ」だったけど。

白瀬咲耶

誰かを喜ばせること、誰かの期待に答えることに価値を見出していた咲耶が、自分が変化することによって悲しむ人がいるということに直面してしまう話。
モデルのころの咲耶を好きだった人が、アイドルとなっていろいろな姿を見せる咲耶を好きになれないというファンレターを送るというクソオタクの鑑みたいなムーブかましたせいで咲耶が曇るっていうのがしんどい。立つオタク跡を濁すな。
でもそんなファンのことも『捨てた』という事実に対して真摯に向き合って、自分がかけてもらったすべての言葉を『捨てない』という覚悟をして、どんな仕事にも真剣に向き合おうと思える咲耶はとても強いなと。
モデルを経てアイドルになった白瀬咲耶という人物背景を最大限活かしたとてもよいシナリオだったと思う。モデルという道を通過した、モデルではないアイドルである白瀬咲耶だからこそ描ける物語だった。
印象的なセリフも結構おおかったよね。
「モデルでもアイドルでも白瀬咲耶の本質は変わらない」
「あの頃の私を、決して否定したくはないんだ」
「私の選択はいつも最良だよ」
あたりが印象に残った、好きなセリフかな。

三峰結華

三峰が、自己評価の低さと向き合う話。それに尽きます。この言葉が適切かどうかはわからないけれど、終始三峰っぽいシナリオだった。
「みんなに最高の三峰を見せたい」っていうのがあって、でも持ち前の性格のところから自分をあまり肯定できないっていうところを、シャニPが三峰側に大きく踏み込んで改善しようとトライする。結局、根本的に自分を高く評価できるとこまではいかなかったけれど、積み重ねてきたものについてはちゃんと受け入れるようにする、というところまでたどり着いた。まあいい落とし所じゃないですかね? あの三峰がそんなに簡単に性格まで変われるとは思えないし。でも最低限、積み重ねについてちゃんと受け止められるようになれば普段からあまり無茶しなくなっていくんじゃないかと思うし。
アイドルオタクというところに端を発する三峰結華というキャラクターなので、『アイドル像』とか『目指す方向性』っていう部分での思想はスタート時点である程度成熟しているはずなので、三峰の成長はやはりアイドルである自分との向き合い方という方向で成長していくキャラクターなんだなと。

幽谷霧子

パンをもらうのにふさわしいのは誰?という話。WINGでも語られていた霧子の優しさという面にスポットをあてた内容。
ストーリーストーリーからの直接の延長線上っぽい話でしたね。霧子が国立医学部が目指せるレベルの学力をもっていることが判明しました。でもこれだけ学力が高いんだったらアイドル活動を辞めて学業に専念しろって親に言われてもおかしくないような気がするんだけど、それだけ霧子の両親はアイドル活動に対して肯定的なのかもしれない。
霧子には今でもちゃんと人気が獲得できているアイドル活動というパンと、国立医学部を目指せる学力というスープがある中で、脚というパンを奪われて飛べなくなってしまったGRAD出場を予定していたアイドルに直面してしまうわけで。パンもスープも持っている霧子がふかふかのパンを求めてしまっていいのか?という悩みと。そしてシャニPが頑張ろうといっているGRADと、自分の未来を決めるかもしれない模試と。
その葛藤の中で、霧子がどうなりたいのかっていうのを霧子の口から聞きたいって言える、そして霧子も自分がなりたい未来についてシャニPに対して言う、この関係がいいですよね。【伝・伝・心・音】同様、付箋を使ってユキノシタさんからのメッセージという形をとろうとして思い直すところが私好きなんですよ。霧子のためを想ってシャニP自身を隠したっていうところと、霧子と共に進みたいからシャニPとして霧子と対峙するっていう対比がいいですよね。時の流れによって霧子とシャニPとの関係も変わるんだな~~~って。
そして霧子がたどり着いた答えが、パンを作れる人間になりたいっていうところが素敵なんだよな。脚を怪我したアイドルと比べて、自分はパンをもらう理由がないんじゃないかと考えて。そこでパンをもらうことを辞退するんじゃなくて、パンをあげられるようになりたいって考えにたどり着けるのがいい。そしてそこに向かうためには、誰かと競って勝つ必要があると。WING編では他のアイドルの邪魔をしないようにという心配をしながらアイドル活動をしていた霧子が、誰かを救えるように戦う決意をして、模試にもGRADに向けたレッスンにも積極的に臨むようになるっているのがまさに『霧子の成長』って感じですよね。すき。
そして模試でB判定、GRADも優勝っていう一つのゴールにたどり着いてなお、挑戦する姿勢を解かない霧子すき。そしてその辿り着いたGRAD優勝というゴールにて、脚を怪我したアイドルに希望というパンを与えられたと。競い合う覚悟はしたとしても、他者に対する思いやりの厚さと、心配性っていう霧子の本質は揺らいでなくて。そこで安心して感情が爆発するところ、もう、ほんと霧子すき。