転職したはなし

すっごい今更感あるけど、転職エントリを書きます。
辞めてからどころか今のところに勤め始めてもう1年は経ちました。時の流れは速いものですね。

前職について

業種

SIerらしいです。といっても、イメージされるSIerとは相違がありそうな気がします。
生産設備の設計とか立ち上げとかしてました。工場で動いてる設備が動くようになるまでを全部担うっていうとイメージしやすい?

職種

機械設計以外のなんでも屋です。PLCのソフト書いたり、ロボット動かしたり、電気図面書いたり。あとは現地行って装置の立ち上げとか。

辞めた理由

業務内容に飽きてしまった

どんどん新しいことにチャレンジできる社風だと聞いておりました。実際、新しい技術にふれる機会は多く、講習等も何度も参加しました。なぜか他の同期よりも講習会に参加した回数は多く思います。
ただ、講習によって学んだことが実際の業務に活かせるかといえば、そういうわけではありませんでした。有用そうな手法を耳にしたので実際に取り入れてみようと提案するも、納期ありきの案件なので今回は見送り。抜け漏れがなくなりそうな開発手法を実践してみないかと提案しても、納期ありきの案件なので見送り。結局、いつまでたっても以前と同じやり方を繰り返すのみ。それで問題なく業務が流れているのであればそれでもいいのかもしれませんが、度々問題が発生しているのに改善されず。むしろ、問題が発生することによってそれの火消しに時間を割かなければならなくなってしまい、結果別の作業に充てられる時間がなくなっているといった状況でした。なので最善ではない、改善の余地があることが明白な作業を思考停止で繰り返す、そんな毎日でした。

土日が休みじゃない

自分がオタクである自覚のある人間はこの条件は決して避けなきゃいけない内容なので、魂に深く刻みつけておいてください。
土日休みじゃない、っていうのは正確ではなくて、正しくは「予期せぬ土日出勤が多発する」のと「祝日が休みになると次の土曜が出勤日になる」。
予期せぬ土日出勤についてはトラブル対応で客先にいかなくてはならなくなったりする都合、業種的にしょうが無い面が大きいです。また、どうしても納期厳守となるので、作業時間確保のために休日出勤することもそれなりにありました。
祝日休むと土曜出勤については会社の規定です。多分年間休日が多いのが嫌だったんだと思います。
それに加え、大型連休は工場も止まる→メンテナンスの大チャンスということで連休もだいたい出勤です。
で、こういう勤務状況だとどうなるかっていうと、土日に開催されるイベントに行けないんですよ。まだ当日身一つで行く・行かないが選択できるイベントなら影響は少ないですが、アイマスのライブとかはそもそも前段階としてチケットを手に入れる必要があるので、事前にある程度予定がわかってないといけないわけですよね。取れてもいけるかどうかわかんないイベントのチケットなんてどうやっても取るモチベなくなるんですよ。
なので、趣味の日程が変更できないことの多いオタクは土日出勤になる業種は避けるべきでした。私はそれを見落としていました。

待遇が不満

20代前半の平均よりはもらっていたとは思います。
ただ、休日出勤しても手当が出ない、40時間分のみなし残業代が基本給に含まれている(これに関しては求人票に記載はない)っていうところまで含めると、正直不満でした。
休日手当が出ないことに関しては、休日出勤後、『代休』ではなく『振替休日』が支給されるので、休出手当が発生しないというのが会社の言い分です。補足しておくと、労基法において『代休』と『振替休日』は明確に区別されます。基準はざっくり言うと事前に労働日に対して休日が振替えられているかっていう感じです。急に週末出勤し、後ほど届け出を出して休日を取得する、このシステムが果たして振替休日になるのかというのは甚だ疑問ではありますが、まあ会社がそうおっしゃるんですからそうなんでしょうね?
で、この振替休日も実際は消化しきれないことがほとんどです。当然と言えば当然ですよね。時間がないから土日働いているのに、平日に休める道理がありませんからね。その場合、定期的に振替休日の買取が行われるのですが、本来この金額には休日手当分の3割り増しが適用されて然るべきですが、果たして反映されていたかは神のみぞ知るといったところです。そもそも買取の明細ぐらい通知するべきではという気持ちもありますが、過ぎたことですので。
ついでに言及しておくと、有給は都市伝説のように語られておりました。とうとう退職するまで1日たりとも取得しませんでした。技術職以外はそれなりに取れていたという話は聞いたことがありますが。これに関する面白小話がありまして、私の同期(私より1年ぐらいはやく辞めた)が総務に有給の残日数を確認したところ、総務に「辞めるの?」と聞かれたっていう話なんですけど、これを同級生に話したら「普通有給残日数で給与明細に記載されてるよね」っていう思ってもない返しをされた、っていう話です。よかったら自由につかっていただいて結構ですよ?

ピーク時の忙しさに耐えられなかった

毎月毎月残業時間が100時間を超えて~っていうような会社ではなかったんですけれど、忙しい時がアホみたいに忙しいタイプの会社だったので、それに体も精神もついていけませんでした。
一番いそがしかった時期が30連勤で残業時間140時間(のちに判明したんですが、休日出勤って時間外労働時間に含めるらしいですね。この140時間には含まれていないです)っていうのがあって、20代のうちはまあ耐えられるとしても、これがずっと続くのは無理だなっていうのを感じたので。
実際、あとから思い返してみると精神的にもまいってたみたいな話もあります。というか親から何度も言われました。あとは緩やかな自殺願望があったりとか。確かに振り返ってみるとちょっとやばい状態でしたね。

総務のおっさんが嫌い

おまけではありますが、かなり根の深い問題でもありましたので。入社直後の研修担当だったり、書類関係の手続きだったりで何度も接触がある方だったので、結構ダメージが大きかったです。
彼が人を叱っている場面をよく見かけました。社内の人間だけならまだしも(それでも十分不快ではあるのですが)、出入りしている清掃業者の方などにも罵詈雑言を浴びせておりました。傍から見ていると、所謂お客様なんだから丁重に扱えよという態度にも思えました。私自身そういった会社間での契約や付き合いというのに対して知見があるわけではありませんし、強気な態度をとることによるメリットも少なくないのかもしれませんが、少なくともビジネスマナーの教育をしている人間が社外の人間に対してそんな態度を取っているのを見て、教育された側はどう思うでしょうか。そこまで考えが及ばないんですかね。
あとは社外の某コンテストに参加した際、参加者ではなく観客であるとはいえ、社名を背負って来ているはずなのにお酒を呑んでべろべろの状態で、顔も赤くなってしまっているような状態で会場入りするっていうのはいったいどういった了見なのでしょうか。あなた本当にそれで我々に社会人としての心構えを説いていらっしゃたわけですか?

良かった点

悪かった点ばかり記すのもフェアではないので、よかったと感じた点も書いておこうと思います。

人には恵まれていた

上で述べた総務の方以外はいい方ばかりでした。
特に尊敬していた方が二人いまして、どちらもシーケンサのラダーを組む技術が非常に高い方々でした。面白いのはその二人のソフトの書き方が全然ちがったところですね。かたや『ラダーの書き方のお手本』みたいな上から下に読んでいけるような書き方、かたや普通のプログラミング言語のような機能単位での書き方、というような形で別れており、社内でもちょっとした派閥みたいになってたところは面白かったです。

出張が多かった

良し悪しですけれど、出張がとても多かったです。国内だと滋賀や長崎、金沢などなど。海外出張もありました。インドネシアでは「適当に」とか「いい感じに」って表現するのに「キラキラ」っていうそうですよ。
ゆとりのある現場であれば名産品食べてくるぐらいはできました。余裕ないとずっとコンビニ飯です。

業務経験を積める

設計から立ち上げまでほぼ全てのプロセスに関与しているので、他所でもある程度はやっていける技術力が身につきます。特に生産技術系の募集はかなり通りが良かったです。
逆にそれ以外の分野の知識はほとんど身につかないので厳しい、と思ってたんですが現職は普通に開発部門ですし、なんだかんだ前職での知識や経験がそれなりに役にたっているので、経験の蓄積にはよい会社だったのかもしれません。

辞めるにあたって

それなりに時間がかかりました。なんせ転職活動するための時間を作るのが困難でしたので。
2018年の3月から転職活動自体は始めてはいましたが、面接の日程が組めずにズルズルと時間だけが過ぎていく日々が同年10月まで続いてました。このままではいけないと10月末より転職エージェントを利用しはじめ、11月半ばに1つ目の内定がでました。12月半ばまで転職活動を行いましたが、最終的には5社(程度だったと思います。ちょっとした電話面接だけで採用と言われたような怪しげな企業もあったので正確に覚えておりません)から内定をもらえました。
転職活動が本格的に始まると、自分の中で「これもう別に辞めてしまっても問題ないな」という事実に気づけましたので、11月頭の時点で上司に辞める旨を伝えました。私が主に担っている案件もあったので、年内いっぱいで退職したいと伝えましたが、色々あって2月頭退職となりました。それなりに引き止められたり、不満はないか聞かれたりしましたが、どうせ辞める会社のことなので特に何も答えなかったと記憶しております。
辞めると伝えてからは仕事がとっても楽しくなりました。改善のための努力が無為に終わることもなければ先の不安で眠れなくなることもなくなったので、当然といえば当然かもしれません。飽きていたとはいえ、業務自体は好きな内容でしたから。

現職について

業種

計測器メーカーです。

職種

開発部門に所属しております。ソフトを組んだり、回路設計をしたり。前職に引き続き配線作業なんかも試験品の作成のためにちょこちょこやったりしてます。

所感

自由度が高い

前職でも割と個人の裁量でやらせてもらえる部分はありましたが、今の職場はその範囲がより広くなりました。使ってみたいソフトは自由に使わせてもらえますし、取り入れたい手法を提案すると都度部署内レビューを開催してもらえます。通る通らないは別として、時間がないからという理由で却下されるよりはモチベーションも保てます。
あとはリモートワークと作業中のイヤホンに対応してもらえれば最高ですね。

時間の感覚がゆるい

自社開発の部門にいるため、お客様の日程ありきの作業ではなくなりました。そのため、期日に追われて作業をするということ自体がほとんどなくなりました。もちろん製品開発の日程はありますが、そもそも厳しい日程で予定を組まれない、最悪期日が守られなくても痛手でない(もちろん期日厳守で作業してはいます)ので、比較的ゆとりをもって作業できています。このゆとりが上記のような提案を取り入れてもらいやすいという状況にもつながってるかもしれません。 また、こんなにゆるゆるで働いているため、この1年間で残業時間は10時間いかないぐらいだと思います。以前と比べて自由な時間が格段に増えました。もちろん残業しようと思えば出来ます。

会社の仕組み自体が未完成

開発ルールですとか、文書管理のシステムですとか、そういったところが整備されきっておりません。なので、前職と比べて「こんなこともできていないのか」と思うことが多々あります。反面、その整備に携われるため自分が有利なように働きかけることができるので一長一短という具合です。

通勤時間が長い

これは完全に私が住んでいる場所が悪いというだけなのですが、ドアtoドアで2時間通勤にかかっています。正直無駄なので引っ越しも検討しております。家賃補助があればすぐにでも越したいんですけど。
まあ電車1本1.5h程度、毎朝座れるという状況なのでそこまで切羽詰まってはおりません。なんだったらこの1.5hを睡眠時間に考慮して生活しております。もうすこし朝寝坊できたら嬉しいなというぐらいです。

待遇

スタートは前職と手取りベースで大差ない程度でした。とはいえ前職は40時間のみなし込みで同じ金額なので実質的な賃上げです。
また、前職と比べると昇給ペースはいいです。これがいつまで続くか次第ですね。
有給は容易に取れますし、体調不良で急遽欠勤しても後から有給を充てられるので、このあたりは満足しております。半休が取れないのが若干不満なぐらいです。

続きそう?

どうなんでしょうね? さしたる不満はありませんが、ずっと続けるのかと聞かれると首かしげちゃう気がします。そもそも私が定年退職するまでこの会社の業績が維持されるのかというのも疑問だったりします。生産設備拡充の分野がしぼみ始めたら日本経済はおしまいな気がしますが、正直そうなってもあまり不思議ではないように思う面もあったりしてまして。強い商社数社とそこの太い取引先ぐらいしか残らない未来もありえそうな気がしています。

おわりに

辞める辞めないは別として、転職活動をすること自体にはメリットが多いっていうのはよく言われますが、正しいなっていうのは実感しました。
まだこの転職が成功か失敗か判断できませんが、前向きに頑張っていきたいです。