映画を自分で観るということ

別に大したことじゃないんだけど、ただ書いておきたいという一心で書く記事です。

最近、例のウィルスの影響で、映画鑑賞の様式も変わりつつあるということで、上映本数自体も絞られてたり、席数も半分になってたりで、映画業界はまだしばらくはしんどい状況が続きそうだなっていう印象です。ただ、別に映画一人でも観に行くよっていう人間なので、席なんて隣でなくてもいいし、なんだったら前後左右一席ずつ空いてる状態で鑑賞できる分快適だったりするので今の状況は割と都合がよかったり。上映本数さえ戻ってくれば。
映画の楽しみ方っていうのはやっぱり人それぞれで、一人では映画館なんていかないっていう人もいるし、逆に映画は一人で楽しむものだって主張する人もいて。もっといえば映画館で観るべきって人もいれば、自宅でレンタルで楽しむほうがいいっていう人もいて。人には人の映画スタイルがありまして。

そのスタイルの中に、『どの映画を観るのか?』という選択も含まれると思うんですよ。察しがいい人はここでなんとなく話の先が読めるかと思うんですが、『世間的に評価が悪い映画を観ることに価値があるのか?』っていう話です。私はとても有意義であるというスタンスです。

そもそも、レビューありきで映画を観るかを判断するということ自体に懐疑的な立場です。もっと正確にいうと、低評価なレビューを観ることでその作品を観ることを辞めるのはどうなの?ってことです。
映画の評価っていうのは他の誰でもない、鑑賞した自分のみによって決まるべきものだと考えてます。他の誰がつまらない、クソ映画だと言おうと、自分が面白いと思えばそれは名作映画なんですよ。逆を言えば、どれだけ評価が高かろうが、自分がつまらないと思えばそれは駄作でしかない。自分の感性に自信を持って映画を鑑賞しよう!

こういうことを言うと、「どうせお金を払うならよいものを鑑賞したい」っていう意見をよく頂戴するんです。おっしゃることはとても理解できます。映画のチケットも安くないし、そもそも映画館に行くために交通費もかかる。それになにより、映画というのは時間が費やさないと見れない。まああまりにもクソだと思ったら席を立つっていうのも選択肢なのかもしれないけれど。
その損失を可能な限り小さくするため、ネットレビューをひたすら確認する……!クソ映画なんて見たって、ただ傷つくだけじゃないですか……? そんなことしても…!
そうかな…… 案外そうじゃないんだけどな…………
え…?
フフ… まぁいいや…… そこは置いとこう…………! そこはきみの言う通りだとしよう……! しかし… そんなに悪いかな…………? 傷つくって…! 思うようにならず…傷つく…っていうか… イラつくっていうか… そういうの……… 悪くない…………! まるで悪くない…! 俺は…いつもそう考えてきた…!
決めるなよ… 見てない映画を駄作なんて… 決めるなよ…………! わかったもんじゃないって…! 勝ち負けはわからない… だいいち… いいじゃないか…! 仮に負けても…………!
無論… 気持ちはわかる…! 誰だって成功したい……! わかりやすい意味での名作… 世間的な名作… そういうものに憧れる… 欲する…! けどよ…… ちょっと顧みれば分かる…! それは「映画経験そのもの」じゃない…! そういうものは全部… 飾り…! 映画経験の飾りに過ぎない…!
ただ… 観る事… その熱… 行為そのものが… 生きるってこと…………! 実ってヤツだ…! 分かるか…? 名作を目指すな……と言ってるんじゃない……! その成否に囚われ………思い煩い…… 止まってしまうこと…… 熱を失ってしまうこと… これがまずい……! こっちのほうが問題だ…!
いいじゃないか…! クソ映画で…! 熱いクソ映画なら上等よ……! まるで構わない………… 構わない話だ… だから…
恐れるなっ…! 繰り返す……! クソ映画を恐れるなっ……!

別にクソ映画を擁護したいって話ではなくて、むしろクソ映画はボロクソに叩かれるべきであるというスタンスで、熱量のあるクソ映画レビュー記事は大好きです。そういった意味でも世間の皆々様方におかれましてはもっと気軽に映画見てほしい。もっと気軽にクソ映画に触れてほしい。結局、映画にしろレビューにしろ、その熱量こそが人を魅了するんだと、私は思うんです。その熱量に出会うために、私は今後も、世間で面白いと言われてはいない映画も観るでしょう。

ひとつ、実利的な観点で付け加えるなら。見えている地雷を踏みに行くことは自分のセンサーの感度を確認すること、ひいてはそのセンサーの精度を上げることにつながります。なので、「これちょっとやばそうだな」って映画を見て、実際にやばい映画だった場合は「自分の感性は間違ってなかった」ということに自信を持ちましょう。そこから、「マジでやばい」「ちょっとヤバそう」「問題なく見れそう」「面白そう」って分類ができるようになって、そのうち「マジでやばい」に分類されたものだけ避けていけば、いざ外せない映画の選択って時に失敗することがなくなります。