【mtgA】オルゾフカラーでダンジョンを探索するはなし

数年ぶりぐらいにスタンデッキを組んだので書きました。
どうせスタン環境で組むなら最新のギミック組み込みたいよなということで、フォーゴトン・レルムで追加されたダンジョン探索を主軸にしたデッキにしてみました。プラ帯で勝率5割ちょいぐらいなのでまあ遊べなくはないです。一応次のスタンでも使えるはず。

ダンジョン探索について

探索を始めるときに迷宮、鉱山、墓の3つのダンジョンから探索するものを一つ選んで、踏破するまではそのダンジョンをすすめることしかできないという仕様。各部屋の探索時に効果がある他、踏破時や踏破したことがあることを条件に発動するカードも存在する。迷宮は7部屋とダンジョン踏破に時間がかかる代わりに、最後の恩恵がとても大きい。鉱山は4部屋と比較的簡単に踏破できる代わりに、個々の効果はかなり控えめ。墓は最短3部屋とかなり踏破しやすい代わりに、最後の部屋以外ではアドバンテージを得られないという特性をもっている。また、墓は唯一名称指定のダンジョン踏破条件が設けられている。

ダンジョン探索によってアドバンテージが得られるという設計上、ダンジョン探索ができるカードは基本的に性能が控えめで、生き物の質がけっこうひどい。特に赤と青が顕著で、赤には5/7/3のダメージを食らった際にダンジョン探索できるデカブツがいるのみ、青は5種類と数こそいれども実用的なのは2/2/1の単独アンブロッカブルな戦闘ダメージ時探索できる1種のみかなという印象。なので緑白黒の3色から選択という形になるかと。

採用候補

無私のパラディン、ナダール
探索がついてる生き物で一番性能がいい。3/3/3警戒持ちというだけで最低ラインは保っているし、出た時にも殴った時にも探索ができるというのが偉い。それでいて踏破後には全体ロードになるという捨てるところが何一つないカード。強いて悪いところを上げるとしたら伝説であるところぐらい。

レンジャーの鷹
遊んでた感じ、スタン環境に白単天使が結構数いるので小柄な飛んでるブロッカーっていうのが求められるのであれば採用圏内? 後述する緑と組み合わせるなら1マナクリーチャーという点が大きくなるかも。ただ起動効果のダンジョン探索はあまりにも弱い。ソーサリータイミングでしか使えないっていうのが誤表記では?と思うぐらい。そういう意味では他の1マナ飛行でも事足りるといえば事足りる。

グルーム・ストーカー
ダンジョン踏破後のアタッカーとしてまあ採用できなくはない? とはいえどの色も3マナ帯はダンジョン探索に関する強力なカードが揃っているので優先度は低めかなという印象。

アーチリッチ、アサーラック
墓を踏破するまでは3マナのソーサリー気分で探索ができ、踏破後には3/5/5で殴る時に布告除去かトークン生成ができる神話レア。3マナのダンジョン探索自体はかなり重いので頻繁に使えこそしないが、後半に引いてきた際には1枚で複数回探索を行えるという点で優秀。踏破後の性能も3マナとしては破格のため、コントロール相手などにはかなり強く出れる。伝説のクリーチャーなので複数体並べられない点、効果発動時に一旦場に出るため除去や打ち消しによって墓地に行ってしまうことがあるというのがマイナスポイントかな?

急な落下
軽量除去とダンジョン探索が行える3マナエンチャント。踏破後の修正値は-5/-5とかなり大きく、破壊不能クリーチャーに対するメタともなりうるという点でけっこう評価高め。

ゾンビ・オーガ
探索デッキというよりは黒単サクリファイスにダンジョン探索の色をもたせられるというような役割。墓の探索時の効果で墓地が増えやすいのでリアニ系のカードとも相性がよく、ひきつり目や新弾で追加されたよろめく怪異とも相性がいい。軽量クリーチャーを要求するという点ではダンジョン・クロウラーとも相性がいいのかも。

銀月街のレンジャー、ヴェイリス
ターン1制限はあるがクリーチャーとプレインズウォーカーを唱えることに反応して探索ができる3/3/3到達持ち、おまけ程度ではあるものの護法(1)も嬉しい。さらに踏破にトリガーして2/2の狼トークンも呼べる。緑のダブルシンボルというのが少しネックではあるものの、軽量クリーチャーに探索がつくようになるのはかなりうま味。このカード単体では探索が行えないのが響く場面もありそう。緑の探索カードの中では間違いなく優秀。

エリーウィック・タンブルストロム
+1でダンジョン探索、-2でトップからクリーチャー回収、奥義でトランプルと速攻と踏破数に応じたバフがつく紋章がもらえるプレインズウォーカー。+効果で継続してダンジョン探索ができるというのも魅力ではあるが、-2でクリーチャーを探せてかつ伝説の場合3点ゲインがついてくるのが偉い。前述の通り、各色の最優秀クリーチャーがいずれも伝説なのでどの色で組み合わせても相性がいいというのが嬉しいポイント。ただ初期忠誠度が4、-2したらショック圏内になってしまうので、その後探索ができるかはまた別途相談というのが難点。こちらもダブルシンボルなので緑を使おうとすると色事故との兼ね合いが難しいかも。

君は呪いの彫像を見つけた
エンチャント除去orアーティファクト除去or宝物+探索を選べるソーサリー。クラス呪文を筆頭に、かなり強力な置物と相対することがそれなりに多く感じ、探索を選べるため腐ることがないということから採用しやすいカード。宝物が出るのも嬉しく、上記2枚の色拘束の厳しさを緩和できる。

ファインド・ザ・パス
戦場に出た時に探索ができるマナ加速も兼ねるマナフィルター。緑のカードを使いやすくしてくれる面はあるものの、果たして3マナでこれを貼っている余裕があるのかというのは疑問。

多色

勝利した冒険者
探索関連のクリーチャーの中でナダールに次いで2番目に優秀。白黒で2/1/1とサイズは足りないものの、接死を持っている上に自分のターン中は先制攻撃を持っていて、かつ殴る時にダンジョン探索を行えるという効果のすべてが噛み合っており、1/1のサイズでありながらブロッカーにより退場しにくく複数回の効果の発動が見込める。また先制攻撃こそ消えてしまうものの接死持ちブロッカーとしての役割も果たせるので、後半までしっかり活躍できる優良カード。伝説でないのもよい。レアなのが一番ダメ。

ウンドゥル族のバローウィン
出た時に探索ができ、踏破していれば殴るたびに3マナ以下のクリーチャーを墓地から釣り上げられる4/3/3の伝説クリーチャー。効果が発動できれば、その蘇生範囲は探索デッキのコアとなる3マナ域を範囲におさめているため強力。ただ基本発動できないため4マナ払って探索するデコイで終わることが多い。ヘイトを稼いでくれるという点では優秀なのかもしれない。

作成したデッキ

f:id:yureidoru-cute:20210811172108p:plain
勝利した冒険者とナダールが非常に強力であることと、マナ基盤の問題で3色にするとうまくバランスが取れなかったので白黒で組みました。
ダンジョン探索を行うクリーチャーは質のいいものだけを採用し、盤面の弱さを黒と白の優秀な除去、妨害能力でカバーするというプランで組んでます。墓地に落ちてもバローウィンで拾える可能性があるので、追放除去に対してサクリファイスエスケープができる命取りの論争を採用、それと相性のいいよろめく怪異も採用。
次スタン環境冒頭はマジで多色土地が弱いのにダブシンのカードをそれなりに採用しているので、色事故軽減のために1マナ域にはよろめく怪異と偽りのパラディンを計6枚採用。ここの枚数は4-2だったり3-3だったり、こまかく変えてみていますがこれが最適!という答えにはまだたどり着いてないですね。

ダンジョン探索のカードについては採用している種類も少ないので、かなり厚めに採用。特にナダールは伝説ではあるものの除去された時に二の矢として用意する必要がある、あとはそもそもこいつか冒険者かは引っ張ってこないと話にならないということでフル投安定だと思います。アサーラックについては手札に重なってもしょうがないので2でもいいかも。バローウィンは2枚もいらんので1枚あるいは0でもいいかも。

残りの枠で除去とハンデス、あとは恒久リソースとしてドラゴリッチ、エボンデスを採用。エボンデスについては飛んでる天使も意識してます。

所感

冒頭でも述べた通り、思ったよりも遊べます。冒険者がずっとアドバンテージを稼いでくれるので、引いてしまえば踏破は容易でした。そこにナダールを並べられればほぼ勝ちです。

遂行速度が遅いですが、軽量クリーチャーはよろめく怪異、急な落下などで処理しやすく、横展開された場合もドゥームスカールが引けた場合は対応できるので、アグロデッキに対してそこまで不利はつかない印象です。また除去を黒のカードに頼っている場合にもテンポ有利を取れるのでやりにくさは感じませんでした。
逆に厳しいなと思った対面は、白単天使を始めとする飛行を多用するデッキ、赤単系の軽量火力が多く積まれているデッキ、根本原理あたりでした。
白単天使は冒険者や墓の踏破ボーナスの4/4接死ゾンビを処理する必要もなく殴ってくるためダメージレースと盤面支配の面で勝てず、クレリッククラスや追放系エンチャントなどに対する対策札もないため、一度展開され始めるとドゥームスカールを引けないと負けるみたいな戦いを強要されることが多々ありました。白黒というカラーリングなのでパーマネント除去を多く採用すれば対応できるかもしれません。多色が多くない環境なので消失の詩句を多く採用するなどで対策するのが一番丸い気がします。
赤単系の軽量火力に関しては主要クリーチャーが全部霜噛み範囲内なので当然といえば当然ですね。テンポで負け続けるので勝てません。相手が赤い土地をチャージされたら素直に投了しましょう。
根本原理についてはうまいことハンデスで抜ければ勝てたりしますが、そもそもハンデスカードを多く採用していないのでよっぽど上振れしないと負けます。除去を減らしてハンデス増やせば対応できますが、他のデッキへの対応力が下がるので、スタン落ちまで我慢するほうが健全かと思います。

土地についてはストリクスヘイヴンの白黒土地を入れるかどうかで悩んでます。というのもこのデッキにはダブルシンボルのカードが多く、しかも黒黒、白黒、白白の3パターンあるという贅沢っぷり。タップインのリスクを負ってでも採用する意義はありそう。
DnDミシュランは白のみ採用。黒は出てきて殴っても墓地追放できる程度なので、使うなら飛んでる白を優先でいいと思います。ただ4枚必要かというのは疑問。見せランド採用するなら2-3に減らして平地入れるほうが丸いと思います。

結局ダンジョン探索できれば勝てる、そうでない場合は勝てないというわかりやすい結末になりやすく、一度不利になったら巻き返して勝つことはほぼ不可能で、有利になったら死ぬ気でその盤面有利を維持し続けて勝つ必要があります。
そういう意味では探索するダンジョンは最優先で墓を選ぶことになります。盤面有利を取れているうちに相手のライフを0にするという点ではダンジョン踏破までにライフを5削れる墓は都合がいいです。アサーラックのバリューも上がります。仮に相手が手札や盤面リソースを削る選択をするならそれでよし、こちらのライフがなくなる前に詰め切ればよいので。
墓踏破後、ライフを削りたくないという場合は鉱山を選択することになると思います。迷宮は探索に時間かかる割には直接アドバンテージになる効果が少なく、踏破時の踏み倒しもこのデッキでは大したメリットとならないので、あまり強くなくても鉱山を使うほうがいいと思います。ただし、ゲーム終盤にこれ以降探索できそうな回数が多くなさそうで1点を争う時に限り迷宮を選ぶことがありました。

今後の展望ですが、ひとまず消失の詩句を4枚クラフトするところからかなというところと、イニストラード新弾がでたら2マナ除去が増えるのでそれを採用してどうなるかといった感じ。根本原理という苦手なアーキタイプが一つ減るので嬉しい反面、イニストラードってことは吸血鬼が台頭しそうなのが嫌ですね。多分小型で盤面取りながらライフゲインされると勝てない。ただ4マナぐらいで強いソリンが追加されると相性がいいかもしれない。ダンジョン探索の追加カードが来ないことはもうわかりきっているので、白黒の強いカードがどれだけ追加されるかにかかってます。
そもそもイニストで強いゾンビ追加されるならヒストリックで遊ぶことのほうが増えそうなので、そういう意味でもこのデッキの寿命は大変短いかもしれない。