AI: ソムニウム ファイル ニルヴァーナ イニシアチブが面白かったはなし

AI:ソムニウム ファイル ニルヴァーナ イニシアチブをクリアしました。前作がすごく面白かったので大変期待してプレイしましたが、その期待を超えるものが提供されたのでとても満足です。この熱が冷めぬうちに、感想をまとめておこうというのが今回の主旨です。直前でも注意文は入れますが、記事の後半にネタバレを含みますので、未プレイの方は閲覧しないようお願いします。

どんなゲーム?

www.spike-chunsoft.co.jp

ジャンルの分類が難しいゲームだと思います。推理ADVと形容するのが比較的近いのかな? 主人公である龍木、みずきはどちらも警視庁の特殊部門に所属しており、一つの不可解な事件の謎に迫るという枠組みで話が進みます。
ゲームは大きく分けて『捜査パート』と『ソムニウムパート』の2つのモードでゲームが構成されています。『捜査パート』は一般的なADVゲームのような、気になるものや人にカーソルを合わせて調べたり聞き込みしたりしながら進んでいきます。『ソムニウムパート』はこのゲームならではのプレイモードで、ざっくりいうと推理パズルのようなゲームモードです。『対象の夢の中に潜入し、意識の中から事件の真相を探る』という行為をゲームで体験するので、現実では起こり得ないことが平気で起こるのが魅力です。
本作は2019年に発売された『AI:ソムニウム ファイル』の続編となるゲームであり、主要キャラの多くは前作に登場したキャラクターですが、シナリオ自体は今作のみで完結しています。さらに、ゲームの冒頭で前作をプレイしたかどうかの質問があり、それによって前作の真相にあたる内容に直接言及するかどうかが変わるらしいので、今作→前作という形でプレイすることもできるように配慮されているみたいです。とはいえ前作やったほうが楽しめるとは思うので、プレイしてからをおすすめしたいです。現在Steamのサマーセールで880円で買えます。

感想

ゲームシステムについて

基本的には前作を踏襲していますが、追加や改善は随所に見られました。
ソムニウムパートをクリアするごとにもらえる通貨でギャラリーのコンテンツを開放できたり、アイボゥを着せ替えできるようになるという要素が追加されました。ソムニウムパートを繰り返しプレイすることに対するモチベーションになり、長く遊べるようになるという点で大変うれしい追加要素です。
また、一度クリアしたソムニウムパートは時間制限なしでプレイすることが可能になりました。もともとソムニウムパートには面白い小ネタ等がふんだんに含まれていたのですが、そのネタを確認しようとすると制限時間が足りなくなってしまうというジレンマがありました。それが今作では余すことなく確認できるようになっているという点は非常によかったです。今作の変更要素の中では一番いい点だと思います。

ソムニウムパートについて

前作と比べると、夢の中特有の荒唐無稽さというのは多少抑えめなのかなと思いました。そのソムニウムパートごとに設定されているルールを探り、そのルールに添って選択を進めていくという方針自体は前作と変わりませんが、今作ではそのルールがオブジェクトを選択するごとに徐々に文章として開放されていくというシステムになったため、何度やってもクリアできないというようなことは起こりにくくなっていると思います。
それで難易度が下がったかというとそうではなく、今作ではキャラクターが触れてはいけないオブジェクトが存在したり、キャラクターを動かしていなくても制限時間が消費される箇所があったりなど、『キャラクターの操作』という点で難易度を調整しているように感じました。
制限時間を1秒以上残すと解禁される要素があるのは前回同様、それに加えて各ソムニウムパートに5つずつ目玉のオブジェクトが隠されており、それを集めきることでも解禁される要素があるので作り込まれたソムニウムパートを練り歩く楽しみが増えているのは今作の魅力だと思います。ひとまずクリアしようという形でやっていたら半分も埋まらなかったのでまだまだ楽しめそうです。

ボリュームについて

シナリオクリアまでゲームの実プレイ時間ベースで15時間程度でした。とはいえこの作品はサクサク読み進めるというよりは、今提示されている情報を吟味してこのあとどうシナリオが進んでいくのかというのを予想しながら楽しむ作品だと思っているので、実プレイ時間よりゲームにかけていた時間は長いかなという印象です。
シナリオクリア後も、各ソムニウムパートの解禁要素の開放等、まだまだやることはあるので、30時間ぐらいは平気で遊べるんじゃないでしょうか。というかそもそもシナリオクリアしましたが、EDを一つ確認できていないみたいなので、まずはそこからですね。

シナリオについて

これについてはもう見事という他ありません。さすが打越鋼太郎さんだなという気持ちです。ゲームシステムで敬遠せずに、まず一通り触れてみてほしいと強く思います。シナリオ見たさで全然お金払えるレベルです。面白い物語をゲームという形式で表現するのが本当にお上手ですよね。

   

※※※以下、ネタバレを含みます※※※




遐エ繝ャ邯サ繝吶ご閼ア繧サ繝ィ繧ウ繧ウ繝剰劔讒句ケサ荳也阜
逶ョ隕壹a繝ィ隲ク蜷幃擠蜻ス繝取凾逵溽炊繝取演髢九こ
菫コ繝上ム繝ャ繧ウ蜃ヲ繝上ラ繧ウ莉翫ワ菴墓凾繧ュ繝溘ワ
繝ッ繧ォ繝ゥ繝翫う繝ッ繧ォ繝ゥ繝翫う繝ッ繧ォ繝ゥ繝翫う窶ヲ
莉ョ諠ウ遨コ髢捺錐螢翫す蛛ス繝惹ク悶き繝ゥ縺九う謾セ繝イ
蜉ゥ繧ア縺ヲ繧ッ繝ャ蜉ゥ繧ア繝ヲ繧ッ繝ャ蜉ゥ繧ア縺ヲ繧ッ繝ャ窶ヲ






時系列がおかしいんじゃないかというのはなんとなくわかりましたが、きれいに交差しているところまでは想像できませんでした。しかもそれがDNAの塩基配列や作中の暗号でも示唆されていたというんですから恐ろしいですよね。確かに思い返してみれば、作中で死亡推定時刻が6年跨いでいたと疑問になっていたのって最初の事件だけだったんですよね。本当に見せ方がうまい。この、視界が一気に開けた瞬間のカタルシスこそ、打越鋼太郎作品の魅力ですよね。同じ作品で二度と味わえないのが非常にもったいない。
みずきが二人いそうだなというのはなんとなく想像できましたが、仮面の女にはたどり着けませんでした。最初の特立競技場の発砲のせいで、完全にその線を切っていました。だいぶ暗い過去ではありましたが、前作ではあって当然のように扱われていたみずきの超人的な肉体能力についても背景が語られて、よりキャラの魅力が増しましたね。
熱海エンドと大団円ダンスが続投なのは嬉しかったです。亜麻芽ちゃんがいないのがしょうがないことではあるんですがさみしかったですね。これ隠し要素の????でまた全キャラ踊らせられるんですかね? それに期待して今後もプレイしていこうと思います。